砂除池(すおいけ)のフェンスの中で見つけました。何の変哲もない赤い実と白い花に見えるのですが、これらがなかなか興味深いのです。
ナワシロイチゴ
春に小さな花を咲かせていたキイチゴが、真っ赤な実をつけました・・・というのが普通ですが、実はこのイチゴの仲間の実、正しくは果実ではないんだそうです。果実の定義は子房(しぼう:雌しべが袋状となって中に胚珠がのっている部分)が膨らんだものですが、イチゴの場合は花托(かたく:萼(がく)、花冠、雄しべ、雌しべをつける台)が発達したもので、偽果(ぎか)と呼ぶのだそうです。ちなみにイチゴについているつぶつぶを痩果(そうか)といい、この中に種子が入っている・・・ややこしいですね。
ドクダミ
白い花びらに見える部分、これがなんと花びらではない・・・総苞片(そうほうへん)といい、つぼみを包んでいた葉なんだそうです。その真ん中に突き出している穂状の部分が本当の花序ですが、これが萼も花弁もなく、雄しべと雌しべだけの花なのだとか。なんだか意外性のかたまりのようなドクダミの花です。ちょっとトリビアでした。