「人類の有史以来、初めての事態が起きている。今、子どもの知識が大人の知識を上回っているのだ」
先週HP担当者が参加した「東海北陸地方放送教育研究大会・愛知県放送教育特別研究会」の「情報モラル研究部会」で、助言者の先生が言われた言葉です。スマートフォンをはじめとする情報端末機器が浸透し、LINEに代表されるSNSが普遍化する中、こうした機器やソフトの機能や操作に関する知識は、子どもが大人を凌駕している現状を示したものです。
三重県のK高等学校では、スマートフォンの所有率が96%、フューチャーフォン(ガラケー)が3%、その他の情報端末が1%と、ほぼ全員が情報端末機器を持っていました。また、スマートフォンの平均使用時間が4時間/日に達し、7~9時間の使用も珍しくない、というアンケート結果です。
一方、全国学力学習状況調査では、中学校3年生の77パーセントが、スマートフォンや携帯電話を利用しているという結果が出ています。愛知県F町のある中学校2年生も、64%がスマホや携帯電話を利用し、そのうち84%がLINEを使っているとのデータが紹介されました。こうした事態に対する結論は・・・
「大人の知恵で、トラブル対処を教えなければならない」
たとえば、LINEのトーク機能の文字数制限は500字です。言葉足らずからの誤解を招かないよう、十分に使い切って説明する努力が必要です。またLINEの初期設定では、友達の自動追加やID検索、既読の表示はすべてONになっています。これらを理解せず、そのままで使っていると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
スマホ依存という言葉を耳にされた方も多いでしょう。スマホ及びSNSが行き渡った結果、人間関係が24時間続く事態になりました。これにより「いじめ」も24時間、絶え間なく続くことになったのです。刈谷市で「市児童生徒愛護会」が午後9時からのスマホや携帯の使用禁止を呼び掛けたのは、こうした問題に対処するためです。
人間は人との関係を築き,チームとして協力・活動することができますが、こうした人間の育成は、スマホを通してではないのです。
したがって、スマホを子どもに持たせる時、最初に親が指導しなければなりません。分科会で紹介されたのはアメリカで話題になった、母親が息子にスマホを持たせる時に伝えた18の約束です。
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クリスマスの日に米国マサチューセッツ州のお母さんが13歳の息子にスマートフォンをクリスマスプレゼントとしてあげました。
スマートフォンの箱にはお母さんが作った使用契約書が入っており、その内容が今アメリカで話題になっています。
その内容とは、スマートフォンを使う為の「18の約束」です。
ちょっと厳しい気もしますが、息子への愛を感じる約束って感じがします。
☆下のファイル名をクリックすると、使用契約書をPDFでご覧になれます。
6月に4・5・6年生を対象に行った「ケータイ安全教室」の際、「スマホやケータイを持っている人!」の問いに過半数の子どもが手を挙げました。先日、職員室に電話を借りに来た子が「家の電話番号を教えてください」。思わず「あれ、自宅に電話をかけたことが無いの?」と問うと、「だって、スマホに登録してあるから」との答えが返って来ました。「便利だから」と与えるだけでなく、正しい使い方を大人の知恵で教えましょう。