▼書 名 びりっかすの神さま 豊川工業高校 陸上部監督
▼著 者 岡田淳/作・絵 渡辺 正昭 先生
▼出版社 偕成社
本の紹介
「あなたは、クラスでいちばんになったことがありますか? なわとびでも、テストの点数でも…。この物語は、それとは反対のお話です。びりになるのは、その気さえあればいちばんになるほどむずかしいことではありません。だれでも、なれます。」作者のこの言葉から本の紹介が始まります。転校生の木下始君が四年一組の教室で、とつぜんすきとおった男の人を見つけます。その人は背中につばさがつていて、ふわふわと始の机の上を飛んでいたのです。この天使のような男の人は、クラスでビリをった者だけにしか見えません。このクラスでは、テストの成績順に席が決まっていたので、皆は一番を目指して競い合っていたのですが、この天使を見ようとして、一人二人とクラスメイトがテストでわざとビリをとるようになっていきました。担任の先生も悩むなかで、クラスの皆は全員がこの天使を見る方法を考え出し協力していきます。そしてついに……。
競争することより大切なことは
この本は、私の子供達三人が口をそろえて、昔読んだ本の中で一番心に残っているとすすめてくれた本です。それまでこの本を読んだことのなかった私は、すぐ読みました。そしてとても感動しました。大切なものは何なのかということを改めて考えさせられる本でした。
私は今、高校の先生をしています。高校生に対して「社会へ出た時に競争に負けぬように。」とか言いながら、競争をさせる場面が多いのです。また、私は陸上競技の駅伝競走という部活動も指導しているので、一秒でも相手に勝つぞ、ということもよく言っています。小・中学生の皆も毎日塾へ行ったり、スポーツクラブに入ったりして競争する場面が多くあると思うのですが、大切な事は、相手に勝つことよりも、自分の決めた事をやりきる、仲間と助け合って一つの目標を達成することだと思います。クラス全員ができるまで協力してやってみて下さい。本物のチームワークが生まれると思いますよ。
愛知県教育委員会では、「みんなにすすめたい一冊の本」(小学生、中学生版)をWebで紹介しています。愛知県にゆかりの著名人と61か所の県内公共図書館から、心に残った本や、読んでもらいたい本が紹介されています。下をクリックして、ぜひご覧ください。