声には、高い声と低い声がありますね。子どもの声は高くて、おとなの声は低いです。子犬の鳴き声は高くて、ライオンの鳴き声は低い。小鳥の鳴き声は、もっと高いんです。実は、小さな生き物の声は高くて、大きな生き物の声は低いのです。知っていましたか? 小さなものと大きなものとの違いは何でしょう。それは、もちろん大きさです。では、何の大きさが関係するのでしょうか。自分で実験してみてください。「あ~」という声を出してみてください。できるだけ低い「あ~」、中ぐらいの高さの「あ~」、できるだけ高い「あ~」。 気がつきましたか?口の奥(のどのあたり)は、どうなっていますか?低い「あ~」では口の奥が広く、高い「あ~」では口の奥がせまくなっているはずです。答えは、「口の奥のほうの空間(すきま)の大きさ」です。
<声の高さは振動数で決まる>
声の高さは、振動数で決まります。振動数とは、音が1秒間に空気をふるわせる回数のことです。音を出す部分が小さいと振動数は大きくなります。振動数が大きいと、高い音になります。声を出す体のしくみが小さいと振動数が大きくなり、高い声になるのです。
<空間をせまくして高い声>
小さな動物は声を出す体のしくみが小さい、大きな動物は声を出す体のしくみが大きいということです。大きな動物でも、口の中の声をふるわせる空間をうんとせまくすれば、高い声が出せます。おとながウグイスなどの鳴き声をまねることができるのはそのためです。 では、反対に小さな動物が大きな動物の鳴き声をまねることができるのでしょうか?それは、不可能です。小さな動物のからだの中に大きな声をふるわせる空間を作ることができないからです。 アニメに出てくる「電ボ」(おじゃる丸)や「目玉おやじ」(ゲゲゲの鬼太郎)の声が高いのは、科学的に正しく描かれていますね。「冥加」(犬夜叉)の声はあり得ないですね。他のキャラクターも考えてみてください。
<楽器も同じ原理>
管楽器も同じしくみです。音楽の授業で使うリコーダーも、みんなが使うソプラノリコーダーよりも、中学校で使うアルトリコーダーは長くて径も大きいので低い音が出ます。バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスの順に、弦楽器も太くて長い弦を持つものほど低い音が出ます。 では、小さな携帯電話やイヤホンが低い音を出せるのはなぜでしょう。それは、「空気や弦の振動ではなく、電気の振動によって音の高さを決めているからです。電気の振動は小さな機器の中でも起こせるからです。