ピカッと光ってゴロゴロ鳴る、雷の正体は何でしょう。それは、雲の中の氷の粒がぶつかって起きる電気です。積乱雲(入道雲)の中では空気が勢いよく上昇し、たくさんの小さな氷の粒が激しくぶつかり合っています。そのときに静電気が発生し、プラスの電気を帯びた粒は、雲の上の方へ、マイナスの電気を帯びた粒は、下の方へ集まります。電気の量が限界を超えると、雲の中、雲と雲の間、雲と地面の間で一気に電流が流れ、光や大きな音を発生させる雷になります。
「雷が落ちた!」というのは、雲と地面の間に電流が流れた時のことですね。本来なら空気は電気を通しませんが、雷の電気はとても大きなパワーなので、無理やり空気の中をかき分けて進みます。そのため、稲妻はギザギザに見えるのです。雷は同時に、約1万度の高い熱を発生させ、空気は一瞬大きく膨らみます。このとき空気が震えて、大きな音を出します。これが雷鳴です。
雷の光と音で、雷雲までの距離が計算できます。「光」は一瞬で長い距離を進みます。一方、雷の「音」は、1秒間におよそ340mしか進むことができません。光と音はほぼ同時に発生しているのですが、雷雲から離れるほど「音」は遅れて聞こえます。
「ピカッ」と光ってから10秒後に「ゴロゴロ」と聞こえたら、今いる位置から雷雲までの距離は、約3.4kmであることがわかります。 「ピカッ」「ゴロゴロ」の間隔が短くなってきたら、雷雲が近づいています。屋外での作業や活動をやめて、すぐに避難しましょう。
H23年度