テレビの中に、人がいるわけでもないのに、人やものが見えるのは不思議ですね。
<「光→電気信号→光」で映像化>
私たちが物を見るとき、その物が反射した光を見ています。この光を電気の信号に変えてテレビに送り、そこで電気の信号をまた光に戻すことで像を見ることができます。
具体的には、テレビカメラで画像を取り込むときに、光を明るさと色の情報を持った電気信号に変えます。これを電波(電気の波)の形でテレビ局から電波塔へ送ります。そこからさらに各家庭のアンテナに送られます。アンテナで受信した電気信号は、テレビで再び光に変えられ画像が映ります。
<NHKの時報がなくなったのは?>
40年余り親しまれてきたNHKの時計形式の時報が姿を消すことになりました。放送局が電波を送出してから、テレビ画面に表示されるまで、約4秒もの遅れが生じ、正確な時刻を伝えることが不可能になるからです。デジタル放送では、情報量の多いハイビジョンを効率よくご家庭に送るために、放送局で映像・音声をデジタル化し、その情報量をコンパクトにするため「圧縮」という処理をしています。そして、ご家庭のデジタルチューナーで、もとの情報量に戻す「解凍」という処理を行い視聴できるようにしています。この、「圧縮」「解凍」に多少時間がかかるため、アナログ放送に比べて遅れて届いてしまいます。そのため、東京からの「プッ、プッ、プッ、ポーン」の時報が出せなくなったのです。
<では、ディスプレーはどうなっているのでしょうか?>
ディスプレーは、基本的にはパラパラマンガと同じ仕組みです。1秒間に30枚の絵を連続して映し出すことで動画として見ることができるのです。
画面をよく見ると、細かいマス目に分かれています。画面には縦1920本、横1080本の線があります。その線で区切られたマス目一つ一つに、色や明るさの情報が送られて1枚の「絵」になります。この絵が1秒間に30枚入れ替わるのです。
電気信号は、短冊のように横長に分けられ、画面の左上から右下の順に送られています。こんな複雑な仕組みを一瞬で行っているのです。