みなさん、当然のように、鉛筆で紙に字を書いたり、その字を消すために消しゴムを使っていますね。なぜ、書いた字は消えないのでしょうか?消しゴムにはどんな力があるのでしょうか?
鉛筆で文字が書けるのは何故か?
さて、鉛筆で紙の上をこすると文字が書けるわけですが、一体何故でしょう?
鉛筆は「鉛(なまり)の筆」と書くぐらいで、あの黒いものは鉛(黒鉛)です。 黒鉛は比較的もろく、紙に乗せた瞬間、砕けます。そして、紙の上をこすったときも砕け続けます。紙は、一見ツルツルのようですが、実はものすごいデコボコ状態です。 黒鉛は、このデコボコに削り取られてしまうのです。そしてその破片が、このデコボコのへこんだところにはまり、あのように黒い線として我々の目に映るわけです。
鉛筆でかいた字を、ルーペや顕微鏡で大きくして見てみると、紙のところに細かいえんぴつのしんの粒が、ならんでいるのがわかります。
ちなみに、プラスチックの板のように、滑らかなものに書いた場合、黒鉛は、表面に乗っているだけなので、擦ればすぐに落ちてしまいます。
ところで、鉛筆にはH(Hard/ハード)、B(Black/ブラック)、F(Firm/ファーム)の3種類の強度があるわけですが、これらはどうやって作り分けているのでしょうか? 鉛筆の芯の原料は、黒鉛とねん土です。この2つを混ぜ合わせるとき、黒鉛が多いほど軟らかく、濃い線が書ける鉛筆(B)となります。逆に、黒鉛を少なくしてねん土を多くすると、硬く、薄い鉛筆(H)が出来上がります。ちなみに、「F」と言うのは、HとHBの中間で、ファームと言うのは「丈夫」と言う意味です。