爪にも髪の毛にも身体を守る役割があるからです。
爪は硬いから骨と同じカルシウムでできていると思いがちだけど、実は、皮膚や髪の毛と同じ「ケラチン」というタンパク質の一種でできています。つまり、皮膚がある役割のために形を変えたものが、爪や髪の毛だというわけなのです。
爪は、指先を守って、物をつかんだりしやすくしています。指先ぎりぎりまで骨が出ていたら骨が傷つきやすくなってしまいます。だから、指先までは骨がきていないのです。だけどそれでは指先がふにゃふにゃになって、物をつかめません。そこで、皮膚の一部を硬くして指先を支えるようになっています。爪は皮膚の内側でどんどん細胞分裂をくり返して、新しい爪を送り出しています。だから1日に0.1ミリぐらいずつ、たえず伸びるのです。
指先に付いていないと爪は役割を果たせない。ということは、指先より長くなった爪はもう役に立たないのです。あまり爪を伸ばしておくと、すき間にばい菌が入ったり、ぶつかってはがれたりする(痛い!)から、手のひらの側から見て爪の先が見えるぐらいに伸びたら、切っておくといいです。
爪の根元には半月のような白い部分があります。これは爪の赤ちゃんです。生まれたばかりの姿で、水分が多く含まれているから白く見えているのです。「爪の半月が小さいと身体のどこかに病気がある」なんて言われることもあるけど、それは間違いです。あまり関係ないようだから安心してください。
髪の毛はいつまでも伸び続けるの?
髪の毛は、大切な頭を守る働きがあります。何かに当たった時、クッションになって脳への衝撃を抑えてくれます。太陽の光に含まれる「紫外線」は、日焼けの元になる光です。それが頭の皮にずっと紫外線が当たっていたら、皮膚ガンという病気になってしまうことがあります。髪の毛はそれも防いでくれています。
言ってみれば、髪の毛は頭を守って「傷むのが仕事」です。だからどんどん新しい髪の毛を作って生え変わらせないといけないのです。
髪の毛は「毛根」と言われる根っこのところで盛んに細胞分裂をくり返して作られます。毎日100~200本ずつ生え変わって、毎月1センチぐらいずつ伸びると言われています。でも歳をとって、毛根の細胞が活発に分裂できなくなると、抜けるスピードの方が早くなって、薄くなってきたりするのです。
H24年度