1学期最終日を迎えました。桜が咲くころ、心配そうに入学した1年生も、すっかり学校生活に慣れて、元気に過ごしました。今日は、終業式で校長が、1学期の子どもたちの頑張りをほめました。続いて、絵を用いながら次のような話をしました。
【これは結核がまだ”死に至る病”だった頃、ある病院でのお話です。
その病室には死の宣言を受けた7名の患者が入っておりました。
ジミーカーチスは、その一番奥の窓に近いベッドに寝ていました。
自分で動くことができない患者たちの中で、ジミーだけが唯一窓の外の景色を見ることができました。
死と隣り合わせの同室の患者たちは、皆心がすさんでいました。
その患者たちを前にしてジミーは窓から見える光景を皆に語り伝えていました。
「お~い、今日は子供たちが遠足だよ!黄色いカバンを下げている子がいるなぁ。
ピンクの帽子をかぶった子もいるよ~。可愛いなー!3番目と4番目の子は手をつないで歩いているぞ~。きっと仲良しなんだろうな~。あぁ、空には黄色い蝶々が飛んでいるよ~!」
ところがある日のこと、朝起きてみると窓側に寝ているはずのジミーが居ません。昨晩亡くなったのです。
すると、入り口から2番目のベッドに寝ていたトムという男が「オレをジミーが寝ていた窓際に移動してくれ」と頼むのです。
しかし、看護婦さんたちは顔を曇らせてトムのいう事を聞いてくれません。
業を煮やしたトムは声を荒げて怒鳴ります。
それで仕方なく看護婦さんたちはトムを窓際に移します。
喜んだトムは「俺はジミーみたいに外の景色をみんなに話しなんてしないぞ。自分だけで楽しむんだ!」
そう言ってトムは窓の外の景色を見たのです。
次の瞬間トムは一瞬にしてジミーの思いのすべてが分かりました。
ジミーは壁しか見えないのに、自分たちのすさんだ心を癒すために、その向こうに広がるであろう素晴らしい世界をああやって語り聞かせてくれたのだと。
それに引き換え自分ときたら「自分だけ楽しもうなんて、なんてあさましい心の持ち主であろうか。なんという恥ずかしい自分であろうか!」
心から懺悔したトムは、ジミーに負けないくらい素敵な思いやりを持って他の患者さんたちに語り聞かせました。
「お~い、みんな~。今日は花屋さんが通るぜ~!車の中は薔薇の花でいっぱいだ!前の方はバンジーの花だな。あの隣の黄色い花は甘い香りがするだろうな~!」
夢や希望を持って生きることは素晴らしいことです。それだけでなく、夢や希望を人に与えられることができたら、もっとすばらしい、そう思います。このお話のジミー・カーチスがしたように、人に夢や希望、勇気を与えられると最高ですね。夏休み、皆さんがたくさんの希望と出会えるといいですね。
※ジミー・カーチスのお話は、いろいろなところで紹介されている話です。
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表彰も行いました。夏休みの日誌の表紙絵に、1年生後藤徹平さんの作品が選ばれました。
いよいよ夏休みです。生活指導の先生からも、安全に生活するための話がありました。学校では学べないことや経験できないことをいっぱいしながら、元気に過ごしてください。