校長室から

第39回卒業証書授与式/校長・式辞

_DSC0456.JPG 「式 辞」

 寒い日が多く続いた、厳しい冬も終わりを告げ、日の光りに春の息吹を感じさせる本日、三年間の集大成として、皆さん一人ひとりの努力が実を結ぶ瞬間となりました。様々な困難を乗り越えて、あなた方は、立派に成長しました。この輝かしい姿を、皆様とともに喜びたいと思います。卒業生の皆さん、ご卒業、おめでとうございます。
 今日のよき日、公務ご多用にもかかわらず尾張旭市総務部長野(の)村(むら)孝(こう)二(じ)様、尾張旭市教育委員谷(たに)山(やま)れい子(こ)様を始め、市議会、小学校、高等学校の校長先生方、地域の方々、PTA役員など多くの来賓の皆様にご臨席を賜り、「東中学校 第三十九回卒業証書授与式」を挙行することができますこと、高い席からではございますが、卒業生、教職員にかわりまして、心より感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。
 また、これまで皆さんを励まし、育ててくださったご家族の深い愛情、そして、本校の先生方の熱心な教えや導きの結晶であることも、心にしっかり刻んでほしいと思います。
 さて、卒業生の皆さんにとって、東中での三年間はどのようなものだったのでしょう。毎日の生活は、楽しかったことや嬉しかったことばかりではなく、大変なことも多かったのではないでしょうか。振り返ってみると、自主的に取り組む力や協力し合う心を学ぶことができる修学旅行や東中フェスティバル、新たな試みである「選手宣誓」を幕開けに、様々な競技が繰り広げられました。競技に臨む皆さんの姿からは、最後まで頑張り通す強い思いが随所に見られ、一致団結して、クラスの仲間と心を一つにして、大きな力を発揮できたと実感できました。そして、合唱祭。一人ひとりが、与えられたパートで、心を込めて歌い、その音を集めることでステキなハーモニーが生まれました。とりわけ、中学校生活最後の3年生の合唱は、一人ひとりの思いがしっかりと込められた合唱であり、二年生、一年生に対して、今後の大きな目標を与えてくれました。さらに、自分の精神力や技能を伸ばしチームワークの大切さを学ぶことができる部活動、そして、毎日の学校生活など、皆さんは、ひたむきな頑張りの姿を見せてくれました。私にとっては、様々な場面で見せてくれた皆さんの姿が、よりよく成長していく様子を間近で感じながら過ごしてきた出会いからの二年間でした。これまで、いろいろな機会に、皆さんにメッセージを送ってきました。そこで、皆さんの輝かしい門出に当たり、私が送ってきたメッセージと共に、日頃考えていることの一端をお話しをして、はなむけの言葉としたいと思います。
 まず始めに、修学旅行に出かける前、活動を実施する前の集会において、次のような話をしました。「ルールやマナーは、皆さんを縛るものではなく、お互いが気持ちよく生活をするためのものであり、ルールやマナーを守ることで、全体の動きも、よりスムーズになります。だからルールやマナーを守ることは、とても大切なことです。」と伝えました。これからの時代は、世界の人々が力を合わせ地球を大切にし、人の心を大切にしながら、人間の幸せを求める時代になると思います。そのために、自分の役割をしっかり果たせる人になってほしい。社会のルールやマナーを「守る勇気」をもってほしい。社会の一員としての勇気を大切にしてください。
 次に、十二月の学校だよりで、「共に助け合って生きていく」という意味をもつ「共生」ということを伝えました。このことは、これまで、私が常に皆さんに伝え続けていることです。人は、互いに寄り添いながら支え合い、多くの人の間で、関わり合いながら生きています。そこには、多くの方々の支えや助けが必要です。「自分一人だけがよければよい」という事ではなく、「自分とともに、他の人もよりよく生きたいと願っている」ということに気づいてほしいのです。言葉で表現すればこれだけのことなのですが、実際にはなかなか難しいことです。ぜひ一度、自分のことだけではなく、周りの人のことについてもこの機会に考えてみてください。人は、一人では生きられません。誰かの支えが必要な時が必ずあります。誰かが苦しんでいたり悩んでいたりして、助けがほしいときには、勇気を出して、友達を支えてあげてください。優しく、そっと支えられる人になってほしいと思います。
 さらに、一月の学校だよりで、皆さんそれぞれが、どのような生活をしたいのか、「こうありたい」という自分の姿を心に描きながら生活をしてほしいと伝えました。
 そこで、「有言実行の人であれ」ということを伝えたいと思います。
 自分が言ったことを実行に移すというのは、思ったほど簡単にできるものではありません。しかし、現代社会をたくましく生き抜く上で、皆さんは自分の意見や主張をきちんと述べることができる人でなくてはなりません。いつでも人まかせや人まねばかり、他人の意見に引きずられ、主体性をなくしてしまうことがないように、自分自身をしっかりと確立する努力を忘れないようにしましょう。そして、言ったからには、それを裏づけるだけのことをしなければなりません。どれほどかっこいいことを言っても実行が伴わなければ、人から信頼を得ることはできません。決して、言うだけで何もしない、という負の心をもった卑怯者にはならないでほしい。いい意味での頑固さをもちながら、回り道になろうが、自分の言葉に責任をもち、与えられた場所で精一杯生きること、そのときの自分の最善を尽くすことの大切さを忘れないでいてほしい。
 今、皆さんの心の中には、どのように三年間の思い出がかけ巡っていることでしょうか。一瞬の出来事のように思い出している人も多いかと思います。でも、その一つ一つが大切な思い出ですね。卒業式に当たり、もう一つ皆さんに忘れてほしくないことがあります。それは、この三年間、何かにつけて皆さんを支えてこられたご家族のことです。これまで心配をかけたり、不安な思いにさせてしまったことはありませんか。ご家族からの期待や応援の形は様々だとは思いますが、皆さんのことを大切に思ってみえる気持ちは変わりません。今度はあなた方が、ご家族の温かい気持ちに応える番です。今朝、家を出るときに、何か思いを伝えてきましたか。感謝の心として「ありがとう」と伝えることができましたか。何も伝えていない人は、この後でも大丈夫です。ぜひとも感謝の心を伝えてほしい。思いを伝えたとき、相手の気持ちを受け止めてほしい。相手の心に耳を傾けることができる人になってほしいと願います。

 最後になりますが、本日、ご臨席いただきました来賓の方々、そして、保護者の皆様に対しまして、今日まで本校の教育活動に寄せられました、ご理解とご協力に対して、教職員を代表し、厚く御礼申し上げます。
 卒業していく生徒たちは、まだまだ未熟さがあります。皆様方からの、より一層の温かい見守りとお力添えをお願いいたします。
 新しい人生の門出にあたり、卒業生の今後の健やかな成長を祈って式辞といたします。

 平成二十七年三月五日
   尾張旭市立東中学校長  山内 賢一
 

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