近所のおじいちゃんへ おじいちゃんは、少し離れた坂の途中に住んでいる。会ったら毎回話をしてくれる。内気だった僕は、最初は嫌々話をしていた。でも夏になるとカブトムシを捕まえてきてくれた。虫が好きだった僕は大喜びだった。オニヤンマを捕まえてきてくれたこともあった。それでも内気な僕は、「ありがとう」を言えずに時間は過ぎた。中学生になると、心も成長したからか、話すのも楽しくなってきた。話す内容は「でかくなったなぁ~」とか「お兄ちゃんは今高校生か」とか言われて僕は会釈をして終わる。そんなことしか話はしないけれど、話をした日は気分がよくなる。今日も明日もあさっても話す。そして毎回心の中で思う。「ありがとう」と。 2年生 男子
ありがとうを贈ろう