名古屋市博物館で開催されている「ポンペイの壁画展」を見てきました。
イタリアへ行かなくても見ることができるとは、よい時代になったものです。
壁画はギリシア神話に材をとっているものが多く、当時の人々にとって神話が身近なものであったことがわかります。
中でも、ディオニュソス(ワインの神様)が人気があるのは、ワインも生活に欠かせないものだったからでしょうか。
農園別荘の食堂がそのまま再現されている展示もあり、当時の人々の気分を味わえます。壁画にはもちろんディオニュソスが描かれています。
子ども向けのわかりやすい解説が掲示してあるのも親切です。
平日は一部の壁画が撮影可能になっています。
今回展示されている壁画は、美術品というより普通の家の装飾であり、生活を感じさせるものでした。
多くの人々がポンペイに魅かれるのは、一瞬にして日常が失われた悲劇、そして当時のものがそのまま残っていた奇跡のためでしょうか。特に災害大国日本に住む私たちにとって他人事ではない気がします。
チラシなどに使われている左の壁画、実はポンペイではなく、少し離れたところにあり、同じように火砕流に埋まったエルコラーノのものです。
この2つの壁画があった場所は若者の教育の場であったという説があり、上のアキレウスに教えるケイロンはもちろん、下の絵も左下に鹿から乳を与えられるヘラクレスの子テレフォスが描かれていて、教育を暗示していると言われています。