南東の空、冬の大三角形が輝く隣に皆既月食を見ることができました。月が地球の影に完全に入っても、見えなくなるわけではありません。赤っぽく暗く光っています。昔の人は不吉なものと見たのでしょうか。西行法師の歌が残っています。
忌むと言ひて 影に当らぬ 今宵しも 破(わ)れて月見る 名やたちぬらん
(世間の人々は月蝕は不吉だと言って光にも当たらないようにしているが、私はそういう月であればなおさら無理をしてでも見ようとする。奇人変人の悪い噂が立たなければよいのだが。)
実はそういう噂が立ってほしいと思っているようにも感じられる歌です。