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社会的見方・考え方をはたらかせる

10月11日(金)尾張教育研究会尾張旭市支部の各部会ごとに中間発表会が行われました。社会科部会でも、部員がそれぞれ研究実践を発表しました。来年度より小学校で新学習指導要領が完全実施となりますが、その中で子どもたちが「主体的・対話的で深い学び」を行うことが重視されています。子どもたちが自ら意欲をもって学び、子ども同士、先生と、時には本を通して先人と対話することを通して、自分の考えを深めていくということです。そのために、各教科ごとの見方・考え方を働かせることを重視します。社会科であれば、空間・時間・相互関係です。空間とは、どこにあるのか、どのように広がっているのかという視点です。時間は、いつのことなのか、どのように移り変わってきたのかという視点、相互関係は、なぜなのか、どのように関わっているのかという視点です。今年度、社会科部会はこの「社会的見方・考え方をはたらかせる」ということをテーマとして研究実践を行いました。発表を聞く中でいくつかの発見がありました。たとえば、小学校3・4年社会科の内容を相互関係という視点で見ると、共通していることが分かります。3年生でお店の仕事について学習しますが、これは買う側(消費者=わたしたち)と売る側(店)の関わりを学びます。買う側が店に求めているものと、売る側がたくさん売るために工夫することは表裏一体の関係にあります。同様に、農家の仕事の学習は、食べる側と作る側、工場の仕事の学習は、使う側と作る側の関わりを学びます。重要なのは、お店・農家・工場の仕事を知るだけでなく、買う側・食べる側・使う側=わたしたち(子どもたち)が、買う時・食べる時・使う時にどうすればよいかを考えることです。4年生では、ごみの処理、上下水道、消防・警察の仕事について学びます。これも、わたしたち(子どもたち)とごみを処理する人、水を供給したり、汚れた水を処理したりする人、火事や事故・犯罪から守ってくれる人との関わりを学びます。これも、その仕事について知るだけでなく、それに対して、わたしたち(子どもたち)にできることを考える学習をします。たとえば、ごみの処理だったら、ごみの分別、ごみを減らす工夫などです。高学年・中学校になると、問題が身近なことから日本の国全体や、日本とほかの国の関わり、世界全体のことになりますが、考え方としては同様です。社会科は知識を覚える暗記科目のように誤解されがちですが、重要なことは知識をもとに考えることにあります。わたしたち(子どもたち)が、よりよい社会、ともに生きる社会に向けて、どう生きるか、どう行動していくかを考える教科です。新学習指導要領では、その点がより明確になっているので、そうした学習を進めていきたいと思います。

 

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