県の教育委員で心理学者の松本真理子さんの「子どもを取り巻く環境と心の健康」という講演を聞きました。
その中で、なるほどと思ったのが子どもの変化の話です。
ロールシャッハテストといって、インクのしみを見せて、何に見えるかをたずねる心理テストがあります。
見て答えるまでの時間を、昔の子どもと今の子どもをくらべてみると、今の子どもの方が半分以下に早くなっているというのです。今の子どもの方がじっくりと考えないで答える傾向があるようです。昔と今の環境の変化により、子どもは変化しているのです。
では大人はどうかというと、昔の大人と今の大人をくらべると、実は子ども以上に反応が早くなっているそうです。今の大人は待つことが苦手で、それが子どもにも影響を与えているのかもしれません。大人も子どもを変える「環境」なのです。
松本さんは、今の子どもたちは思いを馳せたり、思いを巡らせたりすることはあるんだろうかと心配してみえました。
時には、子どもをせかさず、ゆったりと過ごす時間も大切なのかもしれません。