今、南の空、土星の近くに光る赤い星が見えます。さそり座の一等星アンタレスです。
この星を見ると、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の「さそりの火」のエピソードを思い出します。
井戸に落ちて溺れはじめた蠍(は、「ああ、私は今まで幾つもの命を奪い取ったかわからない。そして今度は私がイタチにとられようとした時、あんなに一生懸命逃げた。どうか神様!私の心をごらん下さい。こんなに虚しく命を捨てずに、どうかこの次には誠にみんなの幸いの為に、私の身体をお使いください。」と云いました。そしたらいつか蠍は、自分の身体が真っ赤な美しい火になって燃えて、夜の闇を照らしているのを見ました。
サソリの後悔と改心。
私たちはどう生きれば後悔しなくてすむのかを考えさせます。
「銀河鉄道の夜」は何度も映像化されていますが、KAGAYAさんが制作したプラネタリウム映像はとても美しいものでした。
DVDも発売されていますが、機会があれば、プラネタリウムでご覧ください。
KAGAYAさんのホームページで画像が見られます。