ドキュメンタリー映画にもなったセバスチャン・サルガドの最新写真集です。
タイトルの「GENESIS」は聖書の創世記というより、「世界のはじまり」という意味でしょうか。
人の手が入っていない大自然、野生動物、原始的な生活をする部族などを撮影したものです。
500ページ以上ある「重い」本です。図書館で借りたのですが、地元の図書館にはなく、愛知県図書館から取り寄せてもらいました。
人間がいない風景の美しさ。けれど、そこに人がいなければ、美しいと思うこともない。誰も見ないところで、その風景は姿を変えていた。写真は偶然切り取られた一瞬の風景。撮影され、出版されたり、ネット上にアップされたりすることで、その風景を風景を多くの人が見ている。
動物写真はとても難しそうだ。野生動物は人間が近づくことを嫌うだろう。ガラパゴス島のカメの写真を撮影するのに、サルガドは四つん這いで近づいたという。その一瞬を撮影するために、どれだけの時間が必要だったのだろう。
動物の群れが感じさせる圧倒的な力。
そして、原始的な生活をする人々。その肉体、瞳の輝き。1枚の写真から彼らの生きた歳月を想像する。