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ロボット人権宣言

「鉄腕アトム」を知っていても、実際に読んだことがある中学生はあまりいないでしょう。

アトムといえば、かわいいキャラクターが思い浮かぶか、正義の味方のアトムが悪いロボットをやっつける漫画と思うくらいでしょうか。

実際のアトムのストーリーはロボット差別をテーマにしていて、特に初期のエピソードはその傾向が強いです。ロボット差別というのは、現実に存在する人種差別のたとえです。作者の手塚治虫が米兵に差別されて悔しい思いをした体験が元になっているという話を読んだことがあります。

ロボットは最初、人間の道具であり、奴隷だったのですが、ロボットにも心があり、差別に苦しみます。アトムもサーカスに売られてつらい思いをします。ある事件がきっかけで「ロボット人権宣言」が実現し、ロボットの人権が認められ、解放されます。

現実の世界では1948年12月10日に世界人権宣言が採択され、「すべての人間が生まれながらにして自由で平等です」とされるのですが、実際にはその後も差別は存在し、今もなくなったわけではありません。しかし、世界は差別をなくそうとする方向へ動いています。

身近な世界にも差別はあります。いじめの問題も、そこから生まれています。世界人権デーの今日、自分も差別をしていないか、自分自身の心を見つめ直してみたいと思います。

ちなみに「20世紀少年」の浦沢直樹が「PLUTO」というタイトルでアトムをリメイクしています。原作のテーマを発展させ、人間の心について考えさせる作品になっています。

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